<2>英会話は独学で習得。情熱をもち続け、夢に向かって一歩ずつ
――現在の勤務先は、どんな会社でしょうか。
HydraulxはLAを本拠地として、バンクーバーに支社があり、主に映画やTVのVFXを担当しています。最近ではNetflixの案件が多い印象です。数年前は人数も少なくてアットホームな感じでしたが、今は働いている人の数がどんどん増えてきて、勢いを感じます。
――現在のポジションの面白いところは何でしょうか。
仕事の面白さという意味では、日本で経験したものと変わらないのですが、あえて言うならば海外アート特有の、大量のオブジェクトを組み合わせてつくるデザインはとても興味深いです。
――英会話のスキルはどのように習得されましたか?
仕事を辞めて現地で語学学校に通いながら仕事を探すのは私にはリスクが高いと感じていましたし、日本での仕事は深夜まで続くことが多かったため働きながら語学学校に通うのは非現実的でしたので、独力で学ぶ方法を選びました。主に、通勤時間を使って勉強しました。
リスニングはPodcast、リーディングはCBCなどの海外のニュースサイト、英単語の勉強には苦手記憶型の単語アプリなどが便利だと思います。文法については構造を深く理解できるよう、日本語の本を1冊購入しました。また、スピーキングとライティングはSkypeを使ってLanguage Exchange(言語交換)※をしました。向き不向きがあるので、自分で勉強内容を計画立てるのが好きな人や、人に教えたり話すことが好きな人には向いてると思います。
※Language Exchange(言語交換):異なった言語を話す者同士が、お互いに相手の言語を練習すること
私は音楽が好きで当時バンドを組んでいたのですが、たまたまドラムの先生をしているアメリカ人とネットで出会い、彼と週2、3回会話したり文章を添削してもらったり、アメリカの文化やドラムもSkypeを使ってレッスンしていただきました。英語を勉強していて感じたのが、日本語でもそうですが、共通の話題があると話しやすいということです。海外の人は思った以上に日本の文化のことを知ってるし、知りたがっていると思います。
また、英語に大切なのは「海外の人と話したい」という気持ちで、その情熱が大きい方が上達が早いと感じます。いくら勉強したって、人と会話しなければ上手くならないし、逆に英語が完全でなくても相手は何が言いたいのか理解しようとして推測してくれるので、意外に会話が成り立ちます。それと、少しの時間でも良いから、毎日勉強することを習慣にすると良いと思います。
――将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします。
最近ではSNSなどで海外情報が簡単に手に入りますが、それらの意見や成功例は、人によって目指すものが異なるので、どの道が正しいという「正解」はないと思います。海外にもプラスの面とマイナスの面があり、人によっては日本の方が都合が良い場合もあるので、「なぜ海外で働きたいのか、やりたいことは海外でしかできないことなのか」について自分なりの答えをもつことが大切だと思います。それは、いざ海外で住むことになり、何度も大きな壁にぶつかったときに、自分の夢を諦めない原動力になるからです。もし海外で働いてみたい人で、まだ日本から出たことのない人は、まず旅行でも良いから行ってみることをおすすめします。
それから、これは海外就労に限ったことではないですが、何か大きなことを成し遂げるのには時間がかかるので、「諦めない」心の強さが大切です。今がんばっていることは、必ず未来の成功に繋がることを、どうか忘れないでいただけたたらと思います。
3DCGのおかげで毎日が楽しく、カナダにまで来てたくさんの景色を見ることができました。この記事を読んでらっしゃる方々へ、私の経験が何かのヒントになれば幸いです。
Hydraulxの同僚と
【ビザ取得のキーワード】
1.デジタルハリウッドCG本科を卒業
2.映像、ゲーム、アニメ業界でジェネラリストとして広く経験を積む
3.モデラーに専門を絞り、海外就職を目標に置き、3年間独力で英語の勉強をする
4.国内からSkype面談を経てカナダのハイドラックスに就職、就労ビザ(LMIA)を取得
info.
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