>   >  新・海外で働く日本人アーティスト:ハンガリーでゲームシネマティックの制作に携わる 第50回:高橋達也(DIGIC Pictures / Senior Lighting & Composite Artist)
ハンガリーでゲームシネマティックの制作に携わる 第50回:高橋達也(DIGIC Pictures / Senior Lighting & Composite Artist)

ハンガリーでゲームシネマティックの制作に携わる 第50回:高橋達也(DIGIC Pictures / Senior Lighting & Composite Artist)

<2>ハンガリーの実力派CG企業で活躍

――現在の勤務先は、どのような会社でしょうか。

DIGICは主にフルCGのゲームシネマティックを制作している会社です。最近では手広くモーションキャプチャや3Dスキャンの仕事も単体で請け負っています。

整備された公園の中に建っていて、周辺環境が良く、散歩していてとても気持ちがいいです。台風も地震もなく、夏はカラッとしていて気候は最高です。ちなみに四季もあります。

DIGICはハンガリー内でもCGのトップ企業です。そのため開発力もアートのレベルも高く、良い人材が集まっていると感じます。聞いた話ではハンガリーにはCG学校がなく、アーティストは美術学校で学んで、CGは独学だそうです。

会社としては近年人数を増やしていて、それに伴い目下組織づくりに力を入れているという状況です。大所帯になったために課題も多いですが、解決に向けて人員を割いているところです。海外からの人材も積極的に探しているので、入社を希望する人にはチャンスかもしれません。

社員は8割程がハンガリーの方なのでベースの言語はハンガリー語です。その点では苦労していますが、英語が話せる人も8割程いるので、仕事自体は英語でやりとりしています。

――英語や英会話のスキル習得はどのようにされましたか?

幼少期に7年ほどカナダに住んでいたことが一番大きいです。幼稚園から現地の学校にも通っていて、いわゆる国語の授業を受けていました。その後は日本で中高の英語教育を受けたという感じです。

日本ではほとんど英語を使うことはなく、CGの英語記事を読んだりといったことはしていましたが、20年ほど忘れていました。仕事でポリゴン・ピクチュアズさんに出向する機会があり、外国人が多い環境だったので、英語を久しぶりに聞いて話して、それが思い出す良いきっかけになりました。

その後、アニマにも外国人が入り、英語で密にコミュニケーションしたことが良い勉強になったと思います。彼らの真似をする形で表現力をつけることができました。

自分が分かる簡単な単語で「こういう感じなんだけど」と話すと、「これのこと?」と返してくれるので、「あ! そう、それ」という感じで。

――将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします。

自分が一番苦労している点なので恐縮ですが、先ずはクリエイティブの実力を磨いて欲しいと思います。観察力と表現力を養って欲しい。DIGICでも何か具体的に指示をもらうことは少なく、作品に必要とされている表現は資料を集めたりしながら、自分で探していきます。もちろん大まかな指示はありますが、具体的な形にする力として基本が最も重要だと思います。

就職活動ではもちろん準備も必要ですが、時の運もあるので、どんどん応募した方が良いです。本当に相手とのマッチング次第なので! 応募を繰り返している中でも発見があったりします。自分の場合も応募しながら海外の会社のルールなどを勉強していきました。

文化の差や、もしかしたら差別などもあるかも知れませんが、海外でも結局のところは同じ日常です。飛び込んでみても大丈夫です。新しい経験をして、視野を広げられる良い経験になると思います。


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【ビザ取得のキーワード】

①WAOクリエイティブカレッジを卒業
②日本国内のVFX業界での経験実績を積む
③DIGIC Picturesからジョブ・オファーを受ける
④DIGIC Picturesのサポートを受けハンガリーの就労ビザを取得

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