>   >  新・海外で働く日本人アーティスト:フランスで生まれディズニー作品やNetflix映画『クロース』など大作アニメーションに携わる 第51回:田村義道(Animation Supervisor)
フランスで生まれディズニー作品やNetflix映画『クロース』など大作アニメーションに携わる 第51回:田村義道(Animation Supervisor)

フランスで生まれディズニー作品やNetflix映画『クロース』など大作アニメーションに携わる 第51回:田村義道(Animation Supervisor)

<2>学生は「常にオープンマインドである」ことが大切

――Netflix映画『クロース』でVESアワードにノミネートされましたね。おめでとうございます。

どうもありがとうございます。この作品の中で、私にとってチャレンジだったのは、メイン・キャラクターたちを映画本編の中に入れ込んでいく際、うまく均質性をもたせることでした。これらは、見た目だけでなく、キャラクターの個性やパフォーマンス(演技)にも言えることなので、そのバランスをとるのが難しかったです。

2月のVESアワードでは、最優秀キャラクター・アニメーション賞(アニメーション映画部門)で私を含む4名が連名でノミネートされ、大変光栄でした。今回ノミネートされたことに対して大変感謝しているのは、それに値する才能のあるアーティストたちがたくさんいて、この作品を支えてくれたことにあります。今回のノミネートは、そんな彼らの素晴らしいチームワークの賜物と言えるでしょう。


第18回VESアワード授賞式にて(筆者撮影)

――現在の勤務先は、どのような会社でしょうか?

現在は、新型コロナウィルスによる世界的な影響を受けながらも、アニメーション・スーパーバイザーとして複数の作品に携わっています。残念ながら、参加中の新しい作品や勤務先などについては、現時点ではまだ何もお話しすることができないのですが、ぜひご期待ください。

――フランスのアニメーション教育と、日本とアメリカに、何かちがいのようなものはありますか。また、学生が勉強しておいた方が良いと思うことはありますか?

正直なところ、フランス、日本、アメリカのアニメーション教育にどのようなちがいがあるか、私にはわかりません。しかし私が1つ言えることは、学生さんは「常にオープンマインドであるべき」だと思います。そして、常に一生懸命、鍛錬を積むことが大切です。

私は今でも、ドローイングのスキル向上に時間を割いています。なぜなら、ドローイングのスキルを深めている、多くの素晴らしいアーティスト達に出会ったからです。私がアート全般(画家、彫刻家、写真家、俳優など)の勉強を始めたとき、自分の仕事とパフォーマンスを向上させるためには、ドローイングのスキルは非常に有益であるということに気がつきました。

全ては皆さん次第です。これから、あなたがいかにオープンマインドに鍛錬を積んでいくかにかかってくるのです。

――将来、海外を目指したい方に、アドバイスを頂けますか?

4つの大切なポイントがあると思います。

Always trust on yourself:つねに自分自身を信じること
Analyse life:生活や過ごし方、勉強方法などを分析すること
Work hard:一生懸命に努力すること
Never give up:絶対にあきらめないこと

ぜひ、夢に向かって頑張ってください。


田村氏のデスクにて。先述のアニメーション・スーパーバイザー達に加え、リード・キャラクター・デザイナのトルステン・シュランク氏(後列右)と

【ビザ取得のキーワード】

①フランスに生まれ、フランス国籍をもつ
②パリのディズニー・フィーチャー・アニメーションで経験を積む
③アメリカ滞在中は、アメリカで就労ビザを取得
④フランス国籍があればEU加盟国での就労も可能

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