>   >  新・海外で働く日本人アーティスト:教職課程を専攻後デジタルハリウッドの門を叩き、気が付けばアニメ業界で15年 第54回:佐藤英美(The Monk Studios / Senior Animator)
教職課程を専攻後デジタルハリウッドの門を叩き、気が付けばアニメ業界で15年 第54回:佐藤英美(The Monk Studios / Senior Animator)

教職課程を専攻後デジタルハリウッドの門を叩き、気が付けばアニメ業界で15年 第54回:佐藤英美(The Monk Studios / Senior Animator)

<2>いつでも行動に移せるように準備を!

――現在の勤務先はどのような会社ですか?

The Monk Studiosは、タイの首都バンコクにて2D・3DアニメーションおよびVFX制作を行なっています。創業者のジャック・サルマン氏は米・Rhythm & Hues Studiosでアーティストとして活躍されていたこともあり、アーティストがいかにストレスなく快適に仕事ができるかを重要視した、南国らしい明るく緑の多い開放的なスタジオです。社員が子供を連れて出勤することも珍しくなく、また社内で猫・犬・鯉を飼っており、常に癒しとリファレンスには事欠きません。自社IPに加えて北米や中国、日本などの案件を扱っています。

日本の案件を担当したときに、資料やセリフの細かいニュアンスを訳すお手伝いもさせていただき、日本人として役に立てることがとても嬉しく感じました。今後、日本と提携するスタジオが海外に増えていく際、そういった理由でも日本人アーティストは重宝されるかもしれません。


▲アニメーション部の定例旅行から。泰緬鉄道がある場所として有名なカンチャナブリに行き、川遊びをした時の集合写真

――現在のポジションの面白いところはどういった点でしょうか?

前述したとおり自社IPにも力を入れていて、作品のストーリーやデザインなどをイチからつくり上げていく過程を間近で見られるところがとても興味深いですね。また、アニメーターとしてキャラクターをいかに動かして個性づけていくか、そういった点にやりがいと難しさを感じます。VFXや2Dアニメーションの部門もあり、時々見学しては刺激を受けています。

――英語や英会話のスキル習得はどのようにされましたか?

「常に英語に触れる環境」に身を置くことが大切だと思います。そのため、私はカナダ在住中はずっとホームステイをして常に会話する相手を確保していました。現在は通勤中や家事をしている最中などのスキマ時間に語学アプリで講座を片っ端から聞いたり、英語で日記を書いたり。毎日コツコツと無理なく「話す・聞く・書く」を続けるようにしています。

バンコクは観光都市とは言え、一歩外へ出るとタイ語しか通じないことも多々あります。以前、鍵を部屋に置きっぱなしにしてドアを閉めてしまい、管理室に「鍵屋を呼んでほしい」とお願いしに行ったところまったく英語が通じず、結局パントマイムで伝えて事なきを得たというできごとがありました。簡単な挨拶、1〜999までの数字、そしてアニメーターとしての演技力があれば何とかなります(笑)。

――将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします。

当初は1年ごとに国を変えて移動しようと考えていましたが、タイの「常に楽しい気持ちで過ごそう」という「マイペンライ精神」にすっかりハマり、気がつけば2年半が過ぎています。海外と言うと欧米に目が行きがちですが、タイのアニメーション業界も積極的に北米の大手スタジオで経験を積んだアーティストを招き入れており、オリジナルの長編映画を公開するスタジオも増えています。

話す言葉や文化はちがっても、アニメーターは皆同じものを見て、育ち、目標としているので、すぐに馴染めると思いますよ。今年は新型コロナウイルスの影響であらゆる物事が停滞してしまいましたが、いつでも行動に移せるように準備しておくことをオススメします。

【ビザ取得のキーワード】

① 文化女子大学およびデジタルハリウッドを卒業
② 日本国内のスタジオで経験を積む
③ バンクーバーへ語学留学し学生ビザを取得、その後就労ビザに切り替えRainmaker / Mainframe Studiosで海外で初仕事
④ タイへ移住しThe Monk Studiosに就職、ノンイミグラント-Bビザおよびワークパーミット取得

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