>   >  新・海外で働く日本人アーティスト:ワーホリを利用しカナダへ、面白い仕事を求めて4年間で7回も引っ越し! 第49回:大畑高平(Framestore Montreal / Animator)
ワーホリを利用しカナダへ、面白い仕事を求めて4年間で7回も引っ越し! 第49回:大畑高平(Framestore Montreal / Animator)

ワーホリを利用しカナダへ、面白い仕事を求めて4年間で7回も引っ越し! 第49回:大畑高平(Framestore Montreal / Animator)

<2>アニメーターとして最新映画のキャラクター制作に携わる

――現在の勤務先は、どんな会社でしょうか。簡単にご紹介ください。

Framestoreはロンドンに本社があり、カナダのモントリオールの他に、アメリカに3拠点、インドにも1拠点あり、映画だけでなくTVやCM、VRなども手がけるスタジオです。

Hello from Montréal | Framestore

Avengers: Endgame | VFX Breakdown | Framestore

映画『ライラの冒険』のTVシリーズであり、アニメーションのアカデミー賞とも言われる「アニー賞」で、今年のベストキャラクターアニメーション賞を受賞した『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』や、映画『パディントン』シリーズ、映画『プーと大人になった僕』、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズなど、派手さのある映像だけでなく、キャラクターの演技、心理描写にも重点が置かれる作品のVFXを多く手がけているのが特徴です。

His Dark Materials - The Bear Fight

Paddington 2 | Behind the Bear | Framestore

――最近参加された映画の中で、印象に残っている作品はありますか?

過去1年間にアニメーターとして、VFXのリアリスティックなフェイシャルから動物、さらに長編アニメーションと幅広く携わったなかで、MPC時代に参加した映画『ドクター・ドリトル』ではキャラクター・リードとしてメインで出てくる動物のうち1体のキャラクター・デベロップメントを任されました。

ショットワークとは異なり、自分のつくったショットがスクリーンに映る訳ではないので、ある意味で裏方的な仕事ですが、映画制作の初期段階で、キャラクターの方向性を探るアニメーションをつくったり、他のアニメーターと共有するためにキーとなる魅力的な表情やポーズのライブラリをつくったりと、これまでとちがった経験を積むことができました。

――現在のポジションの面白いところは何でしょうか。

VFXのアニメーションは、CGのキャラクターが「本当に実在する」と観客に信じてもらえるよう、とにかくビリーバビリティ(もっともらしさ)やリアリティを追求します。適切な「重さ」の表現や、実写のプレートに見劣りしない「ディテール」を足す根気が必要な作業は時間もかかるのですが、そこが楽しい部分でもあります。

また自分のアイディアに対して、上司や監督が良い反応をくれると単純に嬉しいですね。個人ではなく、制作チーム全員で少しでも作品を良い物にしていこうという熱量を感じることが多く、日々新しいことを学びながら、充実して過ごせています。

――英語や英会話のスキル習得はどのようにされましたか?

まずは音読と瞬間英作文を中心に勉強し、それぞれテキストを3冊ずつ、同じテキストを方法を変えながら計100回反復して刷り込むという勉強法を続けていました。また安価なオンライン英会話スクールが増えていたのでそれも活用し、ある程度簡単な会話に対する「瞬発力」のようなものを身につけてから、難しい文法や単語の勉強に移りました。語学学校は実践する場だと思うので、文法や英単語の勉強はできるだけ日本で済ませた方が、お金もかからず良いと思います。

――将来、海外で働きたい人へのアドバイスをお願いします。

海外で働きたいという人に限らず、目標達成やスキル向上のためには......

1.明確な目標に向かって毎日コツコツ続けること
2.恥を捨てること
3.良いメンターを見つけること

が重要だと考えています。 私の場合はまず5年後の理想像を考え、それを達成するために「4年後は、3年後は」と1年毎に分割、さらに直近1年後までの目標は前期・後期に分割、さらに四半期、月、週、日と分解することで、毎日、何をすれば理想に近づくかを確認しました。

社会人になってからは、早起きをしたり、工夫しながらアニメーションと英語、ドローイングはそれぞれ最低でも毎日25分、休日にはさらに時間を増やして取り組んでいました。適度な休息も必要なのですが、「毎日何をすれば良いのか」を意識することで、無駄にだらけてしまう時間を減らすことができます。

例えば5分とか10分のスキマ時間があったとして、そこでSNSを見るか、それとも英語を勉強したり絵を描いたりするのかでは数ヶ月後、数年後に大きな差ができていると思います。

また、問題を解いたり作品をつくった後に、それで自己完結せず、恥を捨てて人に見せて意見や感想をもらい、「どこが良くないか、どうしたらさらに良くなる」を理解し、少しずつ改善していく過程があることで、身となりスキルアップに繋がると考えています。アニメーションに関して言えば海外だけでなく、日本でもオンラインスクールが増えているため、良いメンターを見つけて直接作品のアドバイスを貰うことも、比較的簡単になっているのではないでしょうか。

最後になりましたが、これまで家族をはじめ友人や上司、同僚など日本やカナダでは、多くの方々に様々な形で助けていただきました。これからも、新しいことに挑戦し続けながら、お世話になった方々や環境に少しずつでも恩返しができればと思っています。


Framestore Montrealのロビー

【ビザ取得のキーワード】

①日本で工業大学を卒業し学士(情報科学)取得
②ポリゴン・ピクチュアズ、AnimationCafeで計3年の実務経験を積む
③ワーキング・ホリデー制度を利用しカナダへ
④Framestoreに就職。環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)を利用し就労ビザを取得

あなたの海外就業体験を聞かせてください。
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連載「新・海外で働く日本人アーティスト」では、海外で活躍中のクリエイター、エンジニアの方々の海外就職体験談を募集中です。
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