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Vol.121 豊作

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Road to Generalist ゼネラリストになりたい! 18

ゼネラリスト的なソフトの使い方とは

今回は、「ソフトの使い方」に対するゼネラリスト的な考え方をまとめてみました。というのも、1つのソフトに完全に依存するスペシャリストと、様々な応用を必要とするゼネラリストとでは、ソフトの使い方に対する考えが根本からちがうからです。では、今回のモチーフを例に、改めてゼネラリスト的な考え方を確認していきましょう。

ゼネラリストの考え方

総合的にみると単純なシーンですね。稲をつくればすぐに終わってしまいそうです。さて、制作を始めるとき、まずは稲のつくり方から考えるはずです。稲の資料を集めたり写真を撮ったりリファレンスになりそうな画像を検索したり。こういった最初のアプローチは、スペシャリストもゼネラリストも変わりません。そして制作するにあたり、通常であればすぐに様々な手持ちの機能を思い浮かべます。


ゼネラリストは壮大な枠で考える

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▲どちらが正しいという意味ではなく、モデリングを専門にするスペシャリストに対して、ゼネラリストは画づくりという壮大な枠で物事を考えます。ゼネラリストにとってモデリング作業は「画づくり」というひとつの工程にすぎないため、最終的に素晴らしい画が完成するのであれば、その手段はどのようなものでも問題ありません。

▲しかし熟練したゼネラリストの場合、最初にそもそもモデリングすることを考えません。「購入すれば良いのでは?」もしくは「そもそも写真で良いのでは?」「実物を撮影した方が良いのでは?」と考えます。


効率を考えつつクオリティも担保する

▲今回の工程にすかさずGrowFXを導入したのもゼネラリストらしい考え方です。もしかしたら、細部を詰めるにはZBrushの方が良いかもしれませんし、モデリングだけで考えたら、ポリゴンモデリングでも良いかも知れません。しかし、様々なバリエーションを作成し、修正に耐え、なおかつ一定以上のクオリティを求められたときの選択としてGrowFXを選びました。

▲味付けのテントウムシをあえて別シーンで作成してAfter Effectsで合成したのは、効率を考えるととても良い判断です。実は、テントウムシのポーズや場所、アングルには何度も試行錯誤を行いました。この作業を実シーンでやった場合、レンダリングも含めて膨大な時間になったことでしょう。



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[プロフィール]
早野海兵
日本大学芸術学部卒業後、(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント、(株)リンクス、(株)ソニー・コンピューターエンタテインメントを経て、フリーランスで活動。2007年(株)画龍を設立。
www.ga-ryu.co.jp
www.kaihei.net
Twitter:@Kai_ryu_Kai

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