Road to Generalist ゼネラリストになりたい! 14
ゼネラリストはリモートワークも管理する
非常事態宣言の延長により外出自粛の期間が長期化し、CGWORLDでのアンケートでもあるとおり、多くのCGプロダクションがリモートワークを強いられています。もともとフリーランスだった筆者は、今もなおハードからソフト、そして通信まで網羅するゼネラリスト(何でも屋)です。
リモートワーク
フリーで使えること
調べてみると、相当な数のリモートデスクトップ用ソフトが世の中にはあふれています。特にここ近年で急に増えたようで、海外には知らないソフトもたくさんある様子。そんな中、お手軽に始められるフリーのリモートデスクトップソフトを試してみました。ちなみに筆者は、Windowsで3ds MaxやAfter Effectsといったソフトを使用する3DCGに特化した環境です。
マイクロソフト「リモートデスクトップ機能」
▲Windowsには標準でマイクロソフトのリモートデスクトップ機能がついています。説明文は淡泊ですが、ローカルで使用する分にはとても使い勝手が良いです(support.microsoft.com/ja-jp/help/4028379/windows-10-how-to-use-remote-desktop)
▲リモートデスクトップにチェックを入れるだけで、LAN内のPCから接続可能に。ユーザー名とパスワードで、PCに最初からログインするように使用できます。ちなみに、リモートで使用している間はホストでの操作はできません。ホストにログインすると接続が終了
「Parsec」
▲SNSで話題になっていた「Parsec」。遠距離でゲームを一緒にプレイするためのツールですが、そのためか通信速度が速く遅延がほとんどありません。ただ、あまりに重いデータだとブロックノイズで画面が荒れることがあります。「マウスだけ」「キーボードだけ」とお手軽に操作系を制限できるのも良いですね。ゲーム用なので「コントローラ」という項目も。After Effectsなどでのプレビュー再生も問題なくこなしてくれます(parsecgaming.com)。
Google Chrome「リモートデスクトップ」
▲CGWORLDのアンケートでも多くの人が使用していたGoogle Chromeブラウザのリモートデスクトップ。Gmailのアカウントさえあれば、ChromeをインストールしたPC同士の接続が可能。デスクトップ版もありましたが、新しいバージョンはChrome内で使用できます。ブラウザのタブにそれぞれのPCを繋いでおけるので、複数のPCと繋ぐにはとても便利。会社での個人PCが複数台ある人は、クライアントが1台でも手間をかけずにログインできます。また、PCが再起動してもログイン画面から使用可。ただ、ほかのソフトより若干描画が遅延するので、事務処理向きでしょうか(remotedesktop.google.com/home)。
NTT「シン・テレワークシステム」
▲NTTのシンクライアント型VPN「シン・テレワークシステム」。比較的新しく出てきたタイプで、Windowsリモートデスクトップをかなり簡単にしたものという印象。クライアントとホストのソフトを両PCにインストールしたら、メールアドレスとパスワードだけで繋ぐことができ速度も申し分なし。2020年10月30日(金)までの試用となっています(business.ntt-east.co.jp/service/thintelework-system)。
NOTE
どれも一長一短あるので、用途によって選ぶのが良さそうです。データ系でたくさんのPCを使用する場合はChrome、アニメーション作業が多い場合はParsecが使いやすかったです。画面を見られない場合にはシンクライアントが便利でした。設定に関して多少の知識があるなら、Windowsの標準デスクトップでも十分だと思います。有料のソフトは、速度や描画数、セキュリティなどそれぞれ特徴がちがうようでした。快適なリモートワーク環境を探す参考にしてみてください。
[Information]
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株式会社画龍 早野海兵 監修
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online.dhw.co.jp/course/3dcg
[プロフィール]
早野海兵
日本大学芸術学部卒業後、(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント、(株)リンクス、(株)ソニー・コンピューターエンタテインメントを経て、フリーランスで活動。2007年(株)画龍を設立。
www.ga-ryu.co.jp
www.kaihei.net
Twitter:@Kai_ryu_Kai