Extension Column 09
3ds Maxは老舗の3DCGツールのひとつとして、その歴史上、様々な本体以外の機能拡張が施されてきました。かゆいところに手が届くフリーのものから、VFXでメインツールとなるような商用のものまで、様々な分野の機能拡張が存在します。このようなプラグイン文化と呼ばれる構成は、ほかの3DCGソフトにはない3ds Max独自の特徴と言ってもいいでしょう。
配置作業プラグイン
連載内でもたびたび登場するので今さらかもしれませんが、今回は配置を行うプラグインを紹介したいと思います。3ds Maxには標準でスキャッタという配置機能がありますが、簡単な配置とひと通りのランダム機能しか付いていません。また、配置する量が増えると当然ながらとても重くなってきます。特に背景制作では大量に素早く配置できることがとても重要で、商用のプラグインには標準機能以上の速さや軽さ、柔軟性が求められています。
(1)Forest Pack Pro
▲以前にもフリープラグインとして取り上げたことがありますが、今回紹介するのはその有償版。古くからあるプラグインのひとつで、すでに利用している人も多いのではないでしょうか。フリー版との大きなちがいはZ方向、高さに対応していること。そして、ライブラリです。
Forest Pack Pro
www.itoosoft.com/forestpack
▲標準で付属しているライブラリがとても豊富で、プリセットだけで簡単に素晴らしいシーンが作成できてしまいます。
▲追加のライブラリも販売されており、様々な自然モデルを適用することができます。もちろん自分で作成したモデルも使用可能。
▲ポイントクラウド表示ができるので、ビューポートの表示が大幅に軽減されます。
▲こういった森の表現には本当に適しています。
▲少し変わった使い方ですが、この作品では表面にびっしり付いている模様の配置に使用しました。
(2)RailClone Pro
▲こちらもフリープラグインとして解説したことがありますが、今回はその有償版を紹介します。スプラインをベースにした配置機能が非常に強力なプラグインです。3ds Maxにも標準で間隔ツールなどがあり、スプラインを使った配置ができますが、編集できないなど使いづらい面もあるため、やはりプラグインの利用がオススメです。
RailClone Pro
www.itoosoft.com/railclone
▲本棚や本なども簡単に配置ができます。作成した後の修正レスポンスもとても良いので仕事向けですね。
▲道路や街灯など、ライン上の配置は特に優れています。
(2)そのほかのツール
MultiScatter
こちらも古くからある配置ツールのひとつです。配置ツールといえば、大抵は前述のForest Pack Proかこれのどちらかといった印象です。若干、価格がお求めやすいのが特徴でしょうか。
rendering.ru/multiscatter.html
PhysX Painte
シーンに直接ペイントをしながらシミュレーションで配置するという、少し変わった配置ツール。自然なモデルの重なりや、乱雑にものを置いたような配置ができます。
hocuspocus-studio.fr/tools/product/physx-painter
AutoModeller Pro
パーツを壁などにランダムに配置してディテールアップをしてくれるツールです。
www.automodeller.com
[Information]
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3ds MAX 画龍点睛
『NEXTWORK2019Ver.』
デジタルハリウッドの「CGヒーローズ」が2019年1月から再びスタート。今回は3ds Max 2019ならではの新機能の詳解と、ソフトウェアを連携させてより効率的にクオリティを高める知識を学びます。詳しくはオフィシャルWebサイトをご覧ください。
school.dhw.co.jp/p/cgheroes/#max
[プロフィール]
KAI
株式会社画龍 アートディレクター
www.ga-ryu.co.jp
www.kaihei.net
Twitter:@Kai_ryu_Kai