Generalist Style 01
今回から新しくゼネラリスト向けの情報を掲載していきます。3DCGソフト以外の連携で使えるソフトやプラグインなどの情報をご紹介。あらゆる方法で楽しく作品のクオリティアップをしていきましょう!
■フォトグラメトリー
近年、急速にCG制作に採り入れられてきたフォトグラメトリー。高価な機材を必要とする3Dスキャンとちがい、簡単なものならスマホでもできるお手軽感が人気の秘密でしょう。実際にモデル制作のほか、ガイド制作や美術のアタリ、トラッキングガイドなど、誰にでもできて用途はとても広いです。
1.基本的なワークフロー
- 1
- 写真を読み込む(フォルダごと)
- 2
- 選択した写真から少ないポイントを抽出する
- 3
- 計算範囲などを限定し、高密度クラウドを構築する
- 4
- 高密度クラウドからメッシュを構築する
- 5
- テクスチャを構築する
- 6
- 書き出す
▲どのフォトグラメトリーのソフトもワークフローは基本的に同様ですね。ものによっては数時間かかる場合も多々あります。ちなみに今回の高密度計算は設定を最高にしており、5~6時間ほどかかりました。トータルで考えると1日作業のようですが、4~5回ボタンを押す操作をして、後は待っているだけなので、専用PCを用意しておけば他の作業と並行できます。
2.今回のPhotoScanでの作業内容
▲今回撮影した写真は170枚ほど。曇りの日を選び、まんべんなく様々な方向から撮影しています。日の当たるときの撮影は、HDR作成には問題ありませんが、フォトグラメトリーだとテクスチャに影が入ってしまうので非常に使いづらくなってしまいます。このあたりは実際の撮影と同じで、運を天気にまかせて撮影するしかありません。
▲作業工程は大きく3工程。写真を読み込み、ポイントを抽出。
▲高密度なポイントをさらに計算します。
▲計算されたポイントクラウドからメッシュとテクスチャを構築。
▲テクスチャは自動で作成されるので、このような難解なパズルのようになっています。
▲モデル、テクスチャともそのままでも使用は可能ですが、ZBrushなどで調整するのが現実的です。
▲なお、ちょうど執筆している最中に、PhotoScanの名前がバージョンアップに伴って変更になりました。現在は「Metashape」という名前になっています。精度も速度も大幅に向上しました。
▲ちなみに、こちらは3D計測ソフトウェア「3DF Zephyr」の画面です。写真が少ないせいかやや精度が甘いですが、お手軽さは一番ですね。今回はフリー版を使用しましたが、有料版はもっと良いかもしれません。
3.フォトグラメトリーができるソフト
最後にフォトグラメトリーの主なソフトの例を紹介します。
- Metashape(旧PhotoScan)
- プロ版は高価ですが、スタンダード版でも十分使用できます。ノートでも作業ができるので、お手軽さもあります。評価版あり(メッシュ書き出し不可)。
www.agisoft.com
- 3DF Zephyr
- フリー版なら写真50枚に制限されますが、無料で使えます。これだけでもちょっと試したいと思う方にはオススメです。
www.3dflow.net/3df-zephyr-free
- RealityCapture
- かなりの精度でスキャン可能。Web上や業界内でも評価は良いようです。ただ、PCのスペックも要求されますし、お手軽というよりはプロ向けな印象です。体験版あり(メッシュ書き出し不可)。
www.capturingreality.com
[Information]
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株式会社画龍 早野海兵 監修
3DCGベーシック講座[3ds Max]
3ds Maxを本当にゼロからスタートする方のために作成したオンライン講座です。本講座は画づくりと技術アップの両面を重視しています。また、3ds Maxの様々な実践的な機能を動画で収録しているため、後々機能のリファレンスとしても使用可能です。ぜひ、この機会に3ds Maxを通してCGの世界に!
online.dhw.co.jp/course/3dcg
[プロフィール]
KAI
株式会社画龍 アートディレクター
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Twitter:@Kai_ryu_Kai