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映画『バクマン。』(VFX制作:ピクチャーエレメントほか)

映画『バクマン。』(VFX制作:ピクチャーエレメントほか)

<5>誰も見たことがないエンドロールを作成する

黒板に現れるアイデアスケッチ

右は最高と秋人が黒板に漫画のアイデアを次々と描いていくシーンだ。役者の演技に合わせて現れてくるチョークの線のアニメーションはeasebackが作成し、アニメーション素材を黒板に合成する作業をマリンポストが担当している。黒板に描かれた絵は、小畑氏が実際に撮影現場に出向いて黒板に描いたものが使用された。小畑氏が黒板のどのへんに描いているのかを記録し、別の教室でその位置に合わせて演技する2人が撮影された。小畑氏が絵を描いている様子はビデオでも撮影されており、そのビデオを参考にeasebackで、次々と絵が描かれていくアニメーションが作成されている。



▲<1>トラッキング用マーカーの付いた黒板の前で演技する2人の実写プレート

▲<2>マーカーや授業用のモニタなどを除去した実写プレート

▲<3>小畑氏が描いた絵を高解像度で写真撮影し、チョークの線だけを抽出したもの。この素材を基にアニメーションを作成する

▲<4>アニメーションと実写プレートを仮合成したもの

▲<5>人物だけをロトスコープした素材

▲<6>完成ショット

映画史上見たことのないエンドロールを目指して

「映画史上誰も見たことがないエンドロール」という大根監督のオーダーによってつくられたのが、easebackの中島賢二氏、森諭氏、井上英樹氏、よシまるシン氏による「コミックスの背表紙がスタッフクレジットになっている」エンドロールだ。コミックスが収納されている本棚にカメラがドリーしていくと、一見ジャンプのコミックスが並んでいるように見えるが、よく見ると全て過去にジャンプで連載されていた漫画のパロディになったスタッフのクレジットが並んでるという趣向だ。

映像を観ると実際にカバーを作成し並べているように見えるが、全て3DCGで制作されている。よシまるシン氏がIllustratorで背表紙の素材を作成し、3ds Maxで作成されたコミックスのモデルにマッピングしているのだ。絶妙なパロディのクオリティに相まって、コミックスのカバーによく見られるPPコーティングされた質感表現も非常にリアルで、まさにこれまで見たことのないエンドロールとなっている。



▲<1>3ds Maxで作成されたコミックスのモデル

▲<2>全てのコミックスのモデルを並べ、ドリーの動きをカメラに適用し、前後のカットとの動きを合わせる

▲<3>書棚の全体像

▲<4>レンダリングされたビューティパス

▲<5>ベクターのマップ

▲<6>Z深度のパス

▲<7>色調整用に書棚部分とコミックスの部分について、それぞれカラーマスクを作成している

▲<8>Illustratorで作成されたロゴにシワや汚れを足して作成したテクスチャ。日に焼けた感じなどが細かく加工されている

▲<9>完成ショット

TEXT_大河原 浩一(ビットプランクス

  • 映画『バクマン。』
    10月3日全国ロードショー

    監督・脚本:大根仁/原作:大場つぐみ、小畑健「バクマン。」集英社ジャンプ・コミックス/VFXスーパーバイザー:道木伸隆/出演:佐藤健、神木隆之介、染谷将太、小松菜奈ほか/製作プロダクション:東宝映画、オフィスクレッシェンド/製作:「バクマン。」製作委員会/配給:東宝

    ©2015映画「バクマン。」製作委員会c大場つぐみ・小畑健/集英社 bakuman-movie.com


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